元ネタはブログ内「白ひげ家を追い出されたヒロイン」
上記ネタの続き妄想を頂きました。
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ヒロインが白ひげ家を追い出されて1〜2ヶ月後。
警察から白ひげ家に電話が入る。
出たのはサッチもしくはサッチ彼女。
聞けばヒロインが警察に保護もしくは捕まったとのこと。
ちょっとヤバ気な事に絡んじゃったor巻き込まれちゃった系でタイーホではないけど引取に来いとな。
行ける人が他にいなくて、サッチはほっとけとか言うんだけどサッチ彼女はいい子なのでそんな訳いかない、とサッチを引っ張って警察へ。
警察には少し痩せたヒロインが居て、下向いて無言。
とりあえず警察をお世話になりましたっつって出て、サッチ彼女が「帰ろう?」とか言ってくれるんだけど、
帰るって何、あんたの家なの?少なくとも自分はもうあそこに「帰る」と言える立場じゃない、なんてプッチーン来ちゃうヒロイン。
「迎えに来いとか頼んでない。いい人ぶんないでよ、仕方なく来た癖に!!」とか言ってそれにサッチうんざり。
彼女の腕を引いて「本人もこう言ってるし帰ろうぜ。義務は果たした。」っつってくるり背を向けちゃって。
捨て台詞のように「お前が何しようと勝手だけど親父に迷惑だけはかけんなよ」て吐き捨て。
ヒロインの顔なんて一度も見ず。
ヒロインはぐっ、て唇噛み締めて自分のジーンズ掴んで。
そんなヒロインを気にしつつもサッチに腕を引かれて帰っていく彼女。
車に乗り込んだサッチがハァ、ため息を吐いて愚痴。
「なんでこんなんになっちゃうかなー…。」「ずっとスゲェ可愛がってたのになー。」「俺の事だって『ダイスキ』とか言って懐いてくれてたのに。」
その台詞に彼女ぴくり。
「サッチさんの事好きだって言ってたの?」
「え?ああ、しょっちゅう言ってたぜー。でもホラまだ恋だなんだに憧れる年だしよ?そーゆーんじゃないよ。」
安心しろよ、とか言うサッチに、いやお前それ違うんじゃねぇのか、なんでこんな事にも何もお前が原因なんじゃないの、となる彼女。
警察から程近い公園で、無表情にぼぅっとベンチに座るヒロイン。
これからどうしようか、友達だと思った人は悪い人で逮捕されたし。もうどうでもいいやー、とか思っていると、目の前にサッチ登場。
頬っぺたに真っ赤な手形付き。
なにしてんの、なにしに来たの、ていうかその手形なに。
聞きたい気持ちはあるけど口を開くのも億劫だし、何より悔しい。
ただ色の無い目でサッチを見るヒロインに、サッチは少し眉間に皺を寄せて。
「…………。」
「……………。」
「…………。」
「……………なァ、」
重苦しい沈黙の後、ぽつりと話かけるサッチ。
「………俺の事、好きだったの?」
何を今更言っているのだこの男は。あれだけ言ったじゃないか。やっぱり、何も伝わっていなかった、分かってくれなかった。
「…………今も、好き、とか?」
呆れと悔しさと怒りが一気に沸いて。
「嫌い。サッチなんて大っ嫌い。」
凄い形相で睨みつけるヒロイン。
敵意しか無いその目に、サッチは少し竦む。
用はそれだけか、もう顔も見たくないと言わんばかりにベンチから立ち上がり立ち去ろうとするヒロインに、なお口を開くサッチ。
「なァ、……………振らせて、くんねーか。」
はァ!?今度こそ本当に何言ってんだ、と勢いよく降り返るヒロイン。
「っ、」
そこには泣きそうに眉を下げて、でも口もとだけ笑ったサッチが居て。
「………頼むよ。」
懇願に、思わず口を噤んだヒロインに、サッチは続ける。
「…惚れた女が居る。家族以外で、初めて…命を掛けて守ってやりたいと思った女が。何かを求めるんじゃなくて、与える事で満たされる関係を女と築けるって、初めて知った。…あいつ以外の女はいらない、あいつ以外は、もう女じゃない。この世の中の、全ての女が。」
「………、」
「だから、お前の気持ちには応えられない。ごめん。」
「っふざけないでよ!!っこっちはもう好きじゃないって言ってるのに、何を勝手に…!!」
ツカツカとサッチの前まで歩いて、怒りをぶつけるヒロイン。
「大体…っ今まで散々色んな女取っ替え引っ替えしてっ遊んで振られた時だけ人に都合よく縋って来て今更っ…今更本気の女なんて、よく言えたもんね!!」
「………ごめん、」
「その癖人の気持ちなんて全く理解しようとしなくて、何回言ったって本気にしてくれなくって…!!」
「…ごめん、」
「謝って欲しくなんてない。本っ当、最低、サッチなんて大っ嫌い!!」
髪を振り乱しながらサッチの胸を叩きながら。
怒りをぶつけるヒロインを謝りながら受け入れるサッチ。
その様が余計に感情を逆なでして。
なんで、なんで今更、ずっと向き合ってなんてくれなかったのに、なんで好きな人なんて出来たの、なんでなんでなんで今更遅い―――
「嫌い嫌い、サッチなんて大っ嫌い!!」
だけど。
初めて、受け入れてくれた。
気持ちを認めてくれた。
『妹だから』そんな理由じゃなく、断ってくれた。
「………っ、ずっと、好き、だった、大好き、だった…!!」
「………、」
「本当にっ、大好き、だった…!!」
「ごめん、ごめんな。」
うわあああああ、子供みたいに泣き出したヒロインを抱き留めて、ひたすら謝罪の言葉を連ねるサッチ。
落ち着いた頃、帰ろう、と促すサッチに首を振るヒロイン。
「酷い事を言ったのは事実だし、まだ祝福はできない。」
気持ちが落ち着くまで、自分の足で頑張る、というヒロインを見送って。
サッチもまた、彼女の待つ白ひげ家に帰る。
そして2〜3年後。
白ひげ家で行われる、サッチと彼女の結婚式。
ヒロインはそれぞれ白ひげ家と和解してはいたけど、白ひげ家にはあの日以来来た事はなくて。
サッチ自身もヒロインとは会ってなくて。
来てくれないかもな、なんて思ってる所へ、横付けされる高級車。
フォーマルスーツのイケメン(出来ればローさんでお願いしゃっす!!)にエスコートされて来るは綺麗になったヒロインで。
おいおいお前が来るの久しぶりじゃねーか彼氏かー?
みたいにわいわいされつつも、彼女に笑顔で祝福を告げるヒロイン。
歓談の時間になって、彼女が友達と話に行った時。
ヒロインがサッチの所へやってきて。
「いい天気で良かったね。」
「………あぁ、」
何も無かったように普通に話かけるヒロインに、綺麗になったな、とか来てくれてありがとう、とか迂闊な事は言えないような気がして。少し動揺しつつも、答えるサッチ。
「…ね、わたしが男連れて来て、ちょっとはビックリした?」
「、あ、ああ、まさかだったってんだよ。」
少し離れたローさんをチラリと見てヒロインが言う。
「…………少しは、複雑な気持ちになってる?」
真っすぐにサッチを見て問われた言葉に、サッチはヒロインの背後を見遣る。
視線に気付いたのか元からこちらを見ていたのか。
ニヤリと笑って舌を出して。
中指を突き立てたローさん。
サッチは僅か眉をしかめるも、
「………いや、お前が幸せなら、嬉しい。ただ、それだけだ。」
そうヒロインに笑いかけて。
「良かった。……わたしも、おんなじ気持ちだよ。」
ヒロインもまた、穏やかに笑って。
互いの幸せを願って、笑いあえる事を喜んで。
ハッピーエンド!!よし!!
という長々とした妄想を勝手に送りつけました。
思いついたままに書いたのでネタ状態、というのが本当申し訳ない限り。
マルコ?ああいたねそんな人。みたいな扱いでしたサーセン!!
マルコフラグ立てるならローさんは別に恋人とかでなくただの友達で、マルコがヤキモキしちゃって的な。
そんなこんなでした。
元の話の素敵サイト様はTi Amoの桜井リサさん作です。
本当リサさんの書く不器用ヒロイン大好き過ぎる…!!
それに付けた自分の文がガッカリ過ぎるけども←
皆さまBKMから是非遊びに行ってくださいませー(´∀`)本当大好きです!!
リサさんこの度は了承ありがとうございましたー!!
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ふと思いついた「サッチに振られるヒロイン」ネタに、こんな素敵な続きネタを考えてくださいました。
救いのないまま終わっていた妄想だったのに、キノコさんのおかげでスッキリ綺麗にハッピーエンドです。
こちらこそ、素敵な続き妄想ありがとうございました!